野崎満浩と「情熱牛」

生産者と「薩摩の久保」の絆が生んだ「情熱牛」

牛の匠として名高い野崎満浩が育てる「のざき牛」に惚れ込んだ「薩摩の久保」の代表である大山は、より多くの人にこの美味しさを伝えたい、自分が納得する和牛を提供したい、との思いから取り引きを深めていきました。

もともと、薩摩の久保の代表である大山の祖父母が鹿児島県出身で、戦後、鹿児島でも畜産が盛んになり、祖父母が牛飼いを始めたのがそのルーツになります。父は畜産農家の息子として生まれ、幼少の頃より牛や農業に携わり育ちました。当時、久保家は牛飼いと共に馬喰（ばくろう）いわゆる仔牛の仲買人を営んでおり、その縁から先代の野崎畜産社長（野崎熊男）とのつながりが始まりました。

当初は鹿児島和牛取り扱いの店としてスタートした「薩摩の久保」ですが、大山が大阪食肉市場で野崎さんの牛を買い付けたことが、のざき牛とのつながりが蘇る、運命的なきっかけとなったのです。

改めてのざき牛を食べてみると、旨味と風味に惚れ込むと同時に、やはりこれからは独自の価値を持ったブランド牛を育て扱っていかなければいけない。そのためには生産者と共に責任を持って、また自信を持って販売していかなければという強い気持ちがわいてきました。

当初、お客様からは「のざき牛って何や？」「和牛なのか？鹿児島産はどう違うのか」などとその知名度もないところからスタート。年数を重ねる度、お客様から徐々に「のざき牛って美味しいな！」「ここの肉食べたら、よその肉食べられへんわ」などの数々の言葉をいただくようになり、のざき牛のファンはどんどん増えていきました。

しかし、順風満帆に思えたその矢先のことでした。狂牛病（BSE）が食肉関連業界を襲ったのは。BSEの影響で、売上は半分以下になり、全部で９つあった農家は、野崎と柳田の２つの農家を残すのみになってしまいました。
生産者は牛が育てられない、出荷できない。「薩摩の久保」は、牛肉が仕入れられず、商品の提供が不安定になる。築き上げてきた実績は音を立てるようにして崩れていったのです。

「実績は崩れても信頼は消えない。生産者とともにこの苦境を乗り越えていこう」大山は、今まで以上に生産者との絆を深めていくことを心に誓いました。生産者もまた、同じ思いでした。「いい牛を育てたら、絶対に広二郎さんが消費者に届けてくれる」。こうしてお互いの志が繋がり、深まっていきました。

そうして、薩摩の久保と野崎満浩さんを中心とした生産者グループとの取り組みがスタート。2012年には「のざき牛」から新ブランドである「情熱牛」を立ち上げました。グループは野崎を中心に柳田、八重尾、石澤、山崎の5人。「牛の匠」と「肉の匠」の確かな技術と経験が合致した瞬間です。

どこにも負けない良い和牛を育てたいという彼らの情熱と、どこよりも美味しい和牛をお客さまに食べていただきたいという「薩摩の久保」の情熱がひとつになり、とてつもなく大きな「情熱」のエネルギーとなったのです。

「情熱牛」の特長

「情熱牛」は、年間出荷の8割以上が5等級、4等級のいわゆる最上等級。牛の血統や飼育・肥育管理と細部にまでこだわりつくしています。そして、なんと言っても最大の特長はその風味。口の中に含んだその瞬間、今までの牛肉に対しての概念が大きく変わります。とろけるようなその食感、肉の甘み、食べ終えた後にまで残るその余韻。これこそが和牛の美味さだと感じさせてくれる牛肉です。

そして、「情熱牛」グループの生産者と販売者が一体となった生産・流通体制の取り組みで、最高峰の和牛を最高の品質とお求めやすい価格でお客さまにお届けしています。